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クロレラとスピルリナの違いChlorella & Spirulina

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クロレラとスピルリナの違い

クロレラ同様のグリーンフーズとして販売されている素材にスピルリナがあります。このスピルリナも藻類の一種で、スピルリナを乾燥した粉末(スピルリナ原末)も緑色をしており、最終製品としてはどちらも錠剤形状で販売されているものが多いことから、見た目だけでは容易にクロレラと判別をつけることが出来ません。原料による個体差はありますが、スピルリナのほうがやや強い臭いを有しているといったことぐらいでしょう。
しかし、製品としての見た目は良く似ていますが、顕微鏡を通して見ますと姿形が全く違うことが判ります。クロレラが球状をしているのに対して、スピルリナはらせん状をしており、明らかに違いが判ります。(写真参照)
また分類学的には門や綱も異なっており、スピルリナはクロレラよりもアオコやスイゼンジノリに近い藻類と位置づけられます。

スピルリナの食用の歴史ですが、アフリカのチャドとナイジェリアの国境にチャド湖という塩水湖があり、この湖の一部にはスピルリナが自生していて、この地区の原住民が古くから食用にしていたことが知られています。(スープのようにして飲んでいたようですが、その他には食用として用いられていた記録は知られていません)
1963年にフランス国立研究所(IFP)のクレメンテ博士が、スピルリナの人工培養の研究に着手しました。そこで確立された技術をもとにして、1970年にメキシコのソーサテキサコ(Sosa Texcoco)という会社が、岩塩を発掘した後の塩水湖を利用してスピルリナ培養を開始しました。これが健康食品としてのスピルリナの歴史の始まりといえます。その後、日本の化学品メーカーがタイ国にて人工池での量産化に成功して市場に参入しました。続いてアメリカ、台湾(中華民国)、中国(中華人民共和国)などにおいて人工池による生産が開始され、今日に至っています。

クロレラもスピルリナも光合成を行いながら増殖する点では同じですが、前述したように種類が異なるため、主要光合成色素もクロレラの場合はクロロフィルaとクロロフィルbとβカロテンであるのに対して、スピルリナの場合はクロロフィルaとβカロテンとフィコシアニンであるという違いがあります。また構造的にもスピルリナは葉緑体膜や核膜を有していません。
栄養成分の組成はクロレラとよく似ており、そのたん白質含有量の多さからクロレラ同様に将来のたん白質源として期待されました。しかし、細胞が大きいため回収・洗浄がクロレラよりも容易にできるというメリットはあるものの、培養液中ではクロレラよりも膨潤するため、乾燥粉末としては単位培養液あたりの収量がむしろ低くなってしまうというデメリットも併せ持っています。

有用性については、1980年代~1990年代のアメリカにおいて「スピルリナに含まれているフェニルアラニンが、脳を刺激して食欲を減退させ、結果として肥満を防止する」という説が唱えられ、マスメディアにも取り上げられたことがありました。しかし、これは一時のブームとして終わってしまいました。
この説は、当時のアメリカ人には藻類を食する習慣がほとんど無かったことから飛び出した説だと言われていますが、確かに科学的な根拠は薄く、体重減少に働くメカニズムとしての妥当性には疑義が残ります。
現在、スピルリナの有用性に関する説明としては、フィコシアニンやカロテノイド、クロロフィルといったスピルリナに含まれている色素成分が、抗酸化作用を発揮することによって、様々な保健効果をもたらしているとされています。
また栄養学的な見地からも、クロレラ同様に緑黄色野菜の代替食品としての価値を充分に有しています。これは、食物繊維やクロロフィル、さらに各種ビタミンやミネラルを含んでいることが根拠となっています。

クロレラとスピルリナに関してよくある質問として、「クロレラとスピルリナのどちらが良いのですか?」、「クロレラとスピルリナでは、どちらが優れていますか?」といった質問がよく寄せられます。
これは、冒頭で述べたように「どちらも藻類」であること、「粉末や錠剤だと見た目が類似」していること、さらに「栄養成分の組成が似ている」といったことなどを背景として出てくる質問ではないかと思われます。
またそれぞれの製品を販売する際に、「クロレラの方がスピルリナよりも優れている」という宣伝が行われたり、その反対に「スピルリナの方がクロレラよりも優れている」という宣伝が行われたりしたことが一因となっているかもしれません。
しかし、どちらも藻類で同じような製品形状(錠剤)であったとしても、クロレラとスピルリナは全く違う存在になります。従って、些細な違いにフォーカスを当てて、それを理由にどちらが優れている/劣っていると論じるのは間違いだと言えます。クロレラにはクロレラの特徴=良さがあり、スピルリナにはスピルリナの特徴=良さがあります。以下に機能性の面での特徴を簡単にまとめてみました。

それぞれの違いと良さを理解して、より自分の体質・体調に適しているものを選ぶことが望まれます。
加筆修正 2025年6月4日

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